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親の大学受験

長女の受験勉強をする様子を眺めながら、はて自分の大学受験ってどんなだったかなって思ったので、ちょっと振り返ってみました。今の学校はさまざまな教育改革のおかげで、多様性に富んだプログラムが組まれていると思います。それと比較すると、90年代の学校教育はモノトーンだったと私は思います。

そもそも大学にいって何をやるかなんて真剣に考えていませんでした。「とりあえず大学はいっておいたほうがいい」という親の言葉そのままに、私の大学受験はスタートしました。

それでは順番にみていきましょう。

1. 進路を考える

志望校をきめたのは、高2の秋でした。当時なんとなく針灸に興味のあったので、東洋医学を勉強できる大学を探しました。探し方は、高校の教室にあった大学便覧です。前から1ページづつみて東洋医学の文字を探しましたが、見つかりませんでした。

それならどこでも同じかなと思って、"偏差値"を基準に選ぶことにしました。親から浪人はだめと言われていたので、まずは偏差値をふってそれにあう大学を見つけるというやり方。その結果が下記です。

  • 偏差値65 東京工業大学
  • 偏差値60 東北大学
  • 偏差値55 神戸大学

※偏差値は正確ではありません。

まず東京工業大学について。知っていたことは兄の友達がいった大学、という程度。東京にあるからいけたらいいなぁ、というレベル。次に東北大学。車通学ができそうだったから。神戸大学は町がおしゃれそうだから。

呆れると思いますが、本当にこんな決め方でした。どんな理由でもいいのでゴール地点を決めることが重要です。

2.勉強場所をみつける

目標は決まりましたが、ろくに勉強していなかった私に対して先生からは

先生
お前の偏差値じゃなぁ

というご指導を頂きます。こう言われるとムカッときて「はっ? 偏差値って何?」と思いますが、高校生の私の意見を大人は聞いてくれません。幸いだったのが、うちの親は

うちは浪人OKですから!
ばあば

と心にも思ってないのにファイティングポーズをとってくれたことです。

そこから、打倒「偏差値」の受験勉強がはじまりました。まずは、どうしたら長時間勉強ができるかをいろいろ試しました。

  • 公民館の学習室で勉強する
  • 学校の図書館で勉強する
  • 学校の自習室で勉強する
  • 家で勉強する

公民館の学習室は、高1のころに実践しました。高校から徒歩10分程度の場所にあり、そこに行くことで勉強する気になれました。でも、これを継続できなかったのは、わざわざ歩いていくのが面倒だったからです。

高2の秋に試したのが学校の図書館。3時間目と4時間目の間に早弁をして、昼休みと放課後に図書館で勉強。まあまあいい方法でしたが、だだっぴろい空間で勉強するスタイルはちょっと落ち着きませんでした。

3学期になって学校の自習室を試しました。3学期のはじめは多くの3年生がいましたが、受験がはじまると徐々に数がへって席がとれました。まわりの3年生には「2年がくるなよ」というような目で見られていたと思います。3月になると3年生はひとりもおらず、自習室を一人で独占してとても快適でした。しかし1学期になると同級生が自習室を使うようになってぺちゃくちゃ話し声が多くなり、もう勉強する環境ではないなと踏ん切りをつけます。

そして最終的には家で勉強するスタイルに落ち着きました。他の方法をいろいろ試したうえで家でやるのが一番いいと納得したことで、その後も家で勉強するスタイルを継続できたと思います。そして少しづつ勉強時間をのばしていきました。

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3. 合格までの1年計画

一番大事なのは、何をどれだけ勉強するか?です。2年のうちは高校で使っていたチャート式や単語帳で基礎学力の強化を図りましたが、それだけでは東工大、東北大、神戸大は受かりません。そこでとった作戦が次のものです。

国公立前期試験日までの1年分の勉強プランを作ること

まず、赤本や予備校などで東工大に合格した人がどの問題集を使っていたかを調べました。そして、それが解けるようになるには、他にどの問題集をやればいいかを考え、全体でどれだけの量をやる必要があるかを把握します。それを受験日までに残された日数で割って、1日何ページやるかを決めました。試験日までの1年プランです。

また予備校にも通いました。公立高校は基礎しか教えてくれないので、予備校は必須です。土曜の午前授業が終わったらダッシュで電車にのって、お昼ご飯は電車の中で菓子パン。名古屋の代ゼミで、夕方の講義を2コマうけました。予備校の授業はとても刺激になりました。問題の解き方が高校の先生とはぜんぜん違うし、購買部にいけばみたことのない問題集がいっぱいある。ここで質の高い問題集を多く見つけました。また、自分より勉強のできるクラスメートがどんな問題集をつかっているかも、かなり参考にしました。

あとは、ひたすら実行。1年後に「偏差値なんで意味ないじゃん!」っていう為に。

4. ラストスパート

2学期までは学校があるので、勉強時間に制約があります。進学校といっても、いなかの学校なので2学期中に教科書が終わるかどうか、というスローペース。スパートがかけられるのは、センター試験後です。私立大受験がはじまり、高校は休みになります。

ここで実行したのが、ビートたけし式勉強法。彼曰く、1日12時間勉強するのは簡単だ!と。8:00~12:00、14:00~18:00、20:00~24:00の計12時間。睡眠時間は6時間以上とれるし食事の時間も1時間以上とれる。これを実践しました。え?と思うかもしれませんが、やってみると意外と簡単です。Maxでは15時間ほどやりました。半分意地ですけどね。

世代的には第2次ベビーブーマーの受験期で、浪人生が多くいた頃です。受験生の浪人率は35%程度と今の約3倍でした。とにかく人より短時間で合格ラインを突破するという受験生48万人による"ゲーム"です。

4月に立てた計画通りに前期試験までがむしゃらに駆け抜けました。試験が終わり、前期日程の合格発表は一人で大学に結果を見に行きました。そして、自分の受験番号を見つけたときはあっけにとられたのを今も覚えています。合格者は書類を受け取ることになっているので、そこにいき受験票をみせて入学手続き書類の入った封筒を渡された時に「あぁ、本当に合格したんだ」と嬉しさがこみ上げてきました。

家に帰り母に書類を見せましたが、それが何かを理解していませんでした。入学手続き書類をもらってきたと言うと

ばあば
嘘じゃないよね?

親兄弟・高校の先生などだれも想像していなかった奇跡の合格でした。

 

振り返ってみると、約1年半の大学受験という長いゲームでそれをクリアした喜びはありましたが、学生が偏差値で区別され勉強漬けの日々の記憶だけが残ったという、とってもモノトーンな受験経験でした。

いかがでしたでしょうか?

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