幼稚園まで

楽しいを育てる?

長女が幼稚園のころ、先生からこんなことを聞きました。

先生
男の子に悪口をいわれても、きょとんとしてる。

おっとりした性格だったからということもありますが、感情の成長のしかたがかなり関係していただろうと思います。心を育てるといった表現はよく聞きますが、ちょっと幅が広すぎてどこから手を付けていいか分かりません。私は感情を育てるという話をきいてとても分かりやすいと思ったので、それを紹介したいと思います。

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ほっといても感情が育つ!?

生まれて半年くらいすると感情は自然に芽生えてきます。そして成長するにつれ、笑ったり、泣いたり、怒ったり、喜んだりします。なのに、わざわざ感情を育てるなんてことを意識する必要はあるでしょうか?

今回のテーマで注目したいのは、感情の有無ではなく強さです。同じ遊びをしても楽しいと思う子がいれば、つまらないと思う子もいます。つまらないことを無理して楽しむ必要はないですが、楽しくて熱中するとどんどん上手くなって、さらに楽しくなります。楽しいと少しくらい失敗してもチャレンジするようになるでしょう。そんな時って、失敗したら嫌だ、辛いという感情より楽しいという感情が上回っています。また、できるようになったら嬉しいなぁって妄想して、楽しくなってきて頑張りします。

逆に悲しい感情を強く感じると、どうなるでしょうか? 大人だって失敗したら嫌ですよね。普通の人なら悲しい気持ちにならないように失敗を避けようとします。これは、ごく自然な防衛反応です。心の中では、やってもどうせできないだろうと、自分に言い聞かせたりして。

こんな感じで何かをするときに、感情が楽しい>悲しいってなると、「やってみる!」ってなるでしょう。

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どうすればいいの?

やり方はとても簡単です。子供のころに自転車に乗る練習をした時のことを思い出してみましょう。最初は乗れませんが、何度も練習して徐々にバランスをとれるようになって、最後には乗れるようになります。自転車に乗っているときは、右に倒れそうになったらハンドルを少し右にきるとかそんな難しいことを考えながらやっているわけではなく、脳内の神経ネットワークが形成され体が自然に動くようになることによってバランスが取れるようになるわけです。人の神経は使わないと反応しないですが、使うと反応するようになっていきます。

感情を育てるというのもこれと同じやり方です。例えば、楽しい気持ちを何度も経験すると、楽しいと思う脳内の神経ネットワークが太くなり、反応がよくなっていきます。「楽しい神経ネットワーク」が太くなると、ちょっとしたことでも楽しいって思えるようになります。

逆に、悲しいと思う経験を何度もしてしまうと、悲しいという気持ちが先立ちます。悲しい気持ちは経験したくないので、だったらやらないでおこうと臆病になります。悲しいという感情が分からないでは困りますが、人は元来感情はもっているので心配することはないです。悲しいと思う反応が強すぎなければいいのです。

少し理屈っぽくなりましたが、何度も何度も楽しいと思う経験をすると、人一倍楽しいと思えるようになるでしょう。望ましくは、ポジティブな感情の経験頻度を高く、ネガティブな感情の頻度を控える、です。子供が笑うことに一緒に笑い楽しいねと声掛けし、怒ることを控えていけば、"楽しい"が育っていくことが期待できます。

 

ポイント

楽しいと思う回数>悲しいと思う回数

たったそれだけのことって思うかもしれませんが、育った感情は一生ものです。子育ては日々の小さなことの積み重ねで、親と子が最も長い時間接する幼児期にこそコミュニケーションに取り入れてほしいことです。やって失うものはないですし、ぜひ試してみて下さい。

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