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埼玉県の高校受験について

高校受験は、それぞれの県で事情が異なります。埼玉県では私立高校の受験に北辰テストを使うあたりが他県から来た方にはちょっと分かりにくいかもしれません。私も最初は「確約とれましたか?」とか「個別相談会に行ってますか?」と聞かれ、なんのことだか分かりませんでした。今回は、埼玉県の高校入試事情を網羅的に説明したいと思います。

 

公立高校

まず埼玉県は、いわゆる全県1区で県内のどの高校も受験できます。そのため県北の学生も県南の例えば浦和高校なども受験可能です。試験日程ですが、3月上旬に試験が実施され、1週間後に結果が発表されます。試験科目は5科目(国語・社会・数学・理科・英語)で、各教科50分、それぞれ100点の配点で合計500点の試験になっています。また、ハイレベルな高校は学校選択問題といって難しい試験問題になります。では、それぞれを細かく見ていきましょう。

まずは日程についてです。願書提出は2月中旬です。3月上旬に試験があり、1週間後に合格発表です。令和3年の日程は下記ですが、コロナの影響かなにかで例年より前倒し日程で実施されました。

日にち 内容
2/15、16 入学願書 提出期間
2/18、19 志願先変更期間
2/26 学力検査
3/8 合格発表

かかる費用は、入学選考手数料として2,200円です。合否は試験の点数と内申で決まります。学校によって異なりますが、試験の点数70~30%+内申30~70%と言われています。ハイレベルな高校ほど試験点数の比率が高めになります。

次は、学校選択問題について。この制度は平成29年度から導入されて、年度ごとに各高校が自高の入試に選択問題を採用するかを決めます。教科としては数学と英語が選択式になっています。令和3年の入試では21校が学校選択問題で入試を実施します。詳細はこちらを確認ください。ハイレベルな高校は、学校選択問題を採用していますね。この学校選択問題はとても難しく応用問題が解けるかで差がつきます。学校での勉強だけでなく、難問問題集や塾でいわゆる難しい問題を解く勉強をしていないと解けません。具体的なレベルとしては、ハイレベル(偏差値60以上)の中学生が受験しているにも関わらず平均点が40点台といった難易度です。

このように公立高校は学校選択問題の部分以外は他県とさほど変わらないのではないでしょうか。こちらの記事では入試当日の時間割を紹介していますので、参考にしてください。

 

私立高校

私立高校の受験になると、単願・併願とか北辰テスト、確約という言葉がでてきて、はじめはちょっと戸惑うかもしれません。私立ですので、学校によっても少しずつ違うところがありますが、全体的な流れをしっかり理解しましょう。

はじめに、単願と併願についてです。

単願 ・単願で受験できるのは1校のみ。合格したら入学辞退はNG。

・ただし、選考時に優遇措置あり

併願 ・公立含め、他の高校も受験できる。すべり止めとして併願受験する。

・公立高校の合格発表まで、入学手続き納入金を待ってくれるところあり

一般 ・ごく少数。

公立を第一志望にしている人は、私立は併願になります。私立で行きたい高校が決まっていれば、単願が有利です。では、この単願・併願を決めるまでのプロセスはどうなっているのでしょうか?

ここで出てくるのが北辰テストと学校ごとにやっている個別相談会です。進学を希望している私立高校の個別相談会に申し込みを行い、北辰テストの結果と内申をもっていきます。そこで、合格できそうかを私立高校側と相談します。そこで学校側が求める基準を満たしていると”確約”がもらえます。単願のほうが確約が取りやすく、併願の方が若干基準が高めに設定されています。また確約がもらえると言っても書面はありませんし、はっきり合格ですと言われることもありません。私立といえど受験ですので、本番の試験で大失敗すれば不合格になります。個別相談会で「大丈夫です」とか「基準を満たしています」といったような感じで合格できる確度を言ってもらえると思います。逆に「偏差値を平均で65以上にしてください」と言われたら確約がとれていないことになります。そして、私立でも早稲田本庄(偏差値76)慶応志木(偏差値76)立教新座(偏差値72)確約がありませんので、狙っている方は本番の試験をがんばりましょう!

また、駿台テストV模試などほかのテスト結果で代用することもできます。他県から受験する場合などは、かならずしも北辰テストを受けていないと埼玉県内の私立高校に受からないというものではありません。もちろん、他県からの受験で北辰テストを受験して確約をとることも可能です。そういったものがない場合は、一般入試となります。

受験で必要な費用ですが、受験料は20,000~35,000円くらいでかなり幅があります。また、合格後に入学手続きを公立高校のあとまで待ってらうには、おおむね入学金の一部10,000円や20,000円を振り込む必要があります。これは学校ごとによって異なりますので、各高校のWEBなどで確認してくださいね。

内申については、学校ごとによって異なりますが、中1、中2の成績表、中3の1学期の成績表、英検や漢検の試験結果、生徒会活動の有無、部活の成績、硬筆や絵画展で優秀な成績をおさめたこと、などが考慮されます。といっても、ハイレベルな高校ほど北辰テストの結果を重要視します。では最後に北辰テストについてみてみましょう。

 

北辰テスト

北辰テストとは、埼玉県内で実施されるいわゆる業者テストです。県内中3の約9割が受験するといわれています。公立高校には北辰テストの結果を提出する必要はありません。上述のとおり、公立高校の試験+内申で合否が決まります。しかし、実際には実力チェックのために公立志望の生徒も受験します。

中3向けのテストは、8回(4月、6月、7月、9月、10月、11月、12月、1月)あります。確約に使えるのはおおむね7月以降の結果といわれているので、4月、6月は練習の意味合いが強いでしょう。申し込みは、①本屋、②塾、③ネット、から可能で、受験料は1回4,300円と高いです。8回全部受けると34,400円もかかります。いい点がとれたらそれで終わりにしたいところですが、多くの学校ではいい点2回分の平均点でみたりするので、結局7月以降はほぼ毎回テストをうけたりします。そのため、北辰テスト受験者の8割弱が5回以上受験したという統計結果があります。そして10月~12月にだいたい確約がとれるので、1月の受験者はすくなくなります。

 

まとめ

埼玉県の高校受験は北辰テストの受験からはじまり、自分の学力レベルをチェックしながら私立・公立の志望校を決めていきます。2学期になると、私立の学校説明会、個別相談会に行きはじめ、確約がとれはじめます。私立の入試本番は1月下旬で、はやければ翌日合否が分かります。そして、最後に3月上旬の公立高校入試となります。

私立の確約の基準については学校ごとに異なりますので、志望校が決まったら学校説明会や個別相談会で確認しましょう。そして全体のスケジュールが分かっていれば、早めに情報収集して落ち着いて志望校を考えられます。楽しい高校生活がおくれるよう高校受験を突破してください!

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